はじめまして!あじたまです!
今回は材料力学とは何か?どのような学問なのか見ていきましょう。自分は初めて材料力学を学んだときは一番苦手としていた科目だったのですが、今では四力(材料力学、機械力学、熱力学、流体力学)の中で一番大好きな科目です。ぜひ一緒に学んで行ってください!
材料力学ってどんな学問?

そもそも材料力学って何なんでしょうか?おそらく専門書などで調べると次のような文章で説明されていると思います。
材料力学とは、外部からの荷重によって生じる材料内部の応力・ひずみを詳細に解析することであり、材料の変形や破壊のメカニズムを理解し、安全かつ効率的な設計を支援する学問である。
……ちょっと難しくて何を言っているのか分からないですよね?超ざっくり言うと、機械や構造物(建物)がどれだけの力に耐えられるのかを調べる学問です!私たちは普段様々な製品を利用して生活していますが、それらの製品は全て材料力学を用いた強度設計を経て作られているんです。
例えば、よく馴染みのある車を想像してみてください。運転している途中でいきなり車軸(アクスルやドライブシャフト)が折れたりしてしまえば、大きな事故を引き起こしてしまいますよね?他にもぶつかってしまったときに破片が飛び散ってフロントガラスが割れてしまう…なんてことも。なので、そうならないように予め強度計算を行って、ある程度の大きさの衝撃(力)に耐えられるように設計しています。このような強度計算に使われるのが材料力学なのです!

材料力学の始まり

構造物などの強さを実験や理論で説明したのはイタリアの科学者ガリレオ・ガリレイ(1564~1642)が始まりとされています。彼の著書に”SECOND DAY OF DIALOGUES TWO NEW SCIENCES (二つの新科学対話)”がありますが、その中で彼は次のようなことを述べています。
幾何学的に相似な構造物は寸法を増やしていくにつれて脆弱になる。
部材の強さは断面積に比例し、長さには関係しない。
“SECOND DAY OF DIALOGUES TWO NEW SCIENCES(二つの新科学対話) ” ガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei, 1564~1642)より
これらの記述は実験的根拠に基づいてかかれていて、現代においても正しいと言われています。
材料力学の魅力
材料力学は橋やビル、車に飛行機など私たちの身の回りにある様々なものに活用されています。そんな材料力学の魅力を3つ紹介します!
身近なものの『強さ』を知ることができる
例えば私たちがいつも使っているスマートフォンがありますよね。スマホをズボンのポケットに入れて座った時、画面がパキッと割れてしまった経験はありませんか?これはスマホのガラスが曲げる力(曲げ応力)に耐えられなかったためです。しかし、画面が割れたとしてもひびが入るだけで全て割れてしまったという人は少ないはずです。それでは何故画面全てが割れないのでしょうか?実は、ガラスの寺領や厚さ、内部構造などを材料力学の知識を使って設計されているからなのです。
モノづくりの土台となる
車のボディ、飛行機の翼、橋や建物の柱など、すべての構造物は材料力学の考えを使って設計されています。例えば、橋を建設しようと思ったら、どのくらいの重さ(荷重)に耐えられるかを計算して壊れないように設計しなければなりません。材料力学を学ぶことで安全で壊れにくいモノを作ることができるのです。
以外なところで役に立つ
スポーツのスキー板やテニスラケット、自転車のフレームなども材料力学の知識を使って作られています。軽くて強い素材を使うことで、選手のパフォーマンスを向上させることができます。つまり、材料力学を学ぶとスポーツ用品の進化の仕組みまで知ることができるのです。
では、たびたび出てくる強度設計とはいったいどのような手順で進んでいくのでしょうか?
強度設計のおおまかな流れ

強度設計はおおまかに以下の図の様な流れで進んでいきます。まず、部品にどんな材料が使われ、どんな形をしているか、どれだけの力(荷重)がかかるのかを決定します。その後材料力学を用いて、どこにどれだけの力が加わり、どれだけ変形するのか(応力解析)を調べ、その部品に破壊の恐れがあるかどうかを調べます(強度評価)。ここで危険だと判断されれば最初に戻り、良ければそのまま試験を行います。無事にOKであれば終了です。

まとめ
材料力学は私たちにとってとても身近な学問です。しかし、どの参考書を見ても「そんなに難しく書く必要あるのかなぁ。」などと思ってしまいます。そのようなこともあり、今回から材料力学について一つずつ丁寧に解説していけたらと思っています。次回は「力とモーメント」について解説していきます。ここまで見ていただき、ありがとうございました!

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